祖母はサバサバした人。鯖鯖。

こんにちは。宇留賀瑞穂です。


お元気ですか。




そろそろ私の住む東日本は晩秋です。
朝晩はかなり寒いです。



沖縄本島からは遠いですね。


宮古島からは、もっと遠いですね。




いま私はその小都市…いえ小田舎?で、
納豆や焼鮭をいただいてます。
飽きないですね和食の朝ごはん。



……………………




けさ、思い出した祖母のこと、それは


「生サバの刺身」


むかしの沖縄では生鯖は、
かなりめずらしい食物でした。


市場にもスーパーにも、
冷凍サバはあっても、
新鮮な生鯖はついぞ見かけませんでした。


そう、三十六年位前でした。町のスーパーで
生鯖の刺身を見つけて


「珍しい!こんなのが売ってるんだ」早速、
夕食に出しました。


オバアは「ふーん」と
箸でつまんで、


ひと口食べて……無言


むっつりふた口食べて………無言


さらに3口食べて……………無言


4口、5口、黙々と……いえ、かすかに入れ歯の音がコトコト、コトコト、



しびれを切らし
はあ、オバア!せっかく買ったのに何か言って!


モグモグ、コトコト、…… カタッ →箸をおいた音



「んまい!!」



生鯖の刺身を生まれて初めて食した祖母は、


あまりに意表をつく「美味さ」に、


音声を発することさえ忘れて、


黙々とモグモグと、生鯖を味わっていました。




それから私は、毎日祖母から
「はいー、サバ買いくー」(ねえー、鯖買ってきてー)と
注文を浴びることになりました。




祖母と長男兄との三人暮らしでしたが、
(長男兄を私は、「にー」と呼んでいました)


にーはひと口食べて、
「なんか、あんましだなー。フツーのが口に合う」でしたね。


フツーとはなんだろう?まぐろ?
それともタマンの刺身?





(続く)