孫たちの作戦 2

こんにちは。宇留賀瑞穂です。



「孫たちの作戦」の続き




………………………



金ちゃんヌードルブームの祖母。



段ボールのカップ麺を完食して
しばらくすると、



祖母が金ちゃんヌードルを食べるのが
1日おきになり、
2日おきになり、


「買い置きあるから今日は買わないで」
「あれ?オバアは今週1個しか食べてない」
長兄と私とそんな会話をして




やがて、「もうじょーぶん」



「(繰り返しますが、祖母は真面目にこう言ってた)



金ちゃんヌードは、もうじょーぶん(充分)。
買わなくていいよ」



何となくさみしそうに言いました。



「うんわかった」


理由は聞けないまま
翌日から普通の朝ごはんを
オバアとにーと三人で囲みます。


オバアはご飯はほんの少し。
具沢山のお味噌汁とおかず少々で
お腹いっぱいになるようです。


「丈ちゃん、気をつけて行きなさい!」
「はーい、いってきまーす」



長兄出かけたあと、無言でテレビを点ける祖母。



「これで良かったのかな………」



日常だった、あのオバアの仕草
ビニル包装をパリパリと
面白そうにクルクル外して、



しっかり持って蓋を開けて、
カップを軽く振って具をならし、
アツアツのお湯を安全にゆっくり注ぎ
かっちりと蓋をして、



時計を見て、
時間が来たらおもむろに開け、
ふくいくたる香りを楽しむ。
フーフーさましながら、ゆっくり味わう。


ごちそうさま。
カップを、蓋を閉めて、
ていねいに袋にしまう。



明治生まれの祖母にとり、カップ麺は
「お湯を注げばいつでも出来立て❗️」
魔法の国から来たような、
ワクワクする食べ物だったのです。


毎朝バタバタと会社に行くようで実は、
にーも心配してました。



オバアが寝たあと。



遅くに帰宅したにーと2人で、
金ちゃんヌードルを食べながら
話し合いました。



「オバア大丈夫かな。どうしようか……」
「だからさ。………『あー金ちゃんヌードがあれば。買いくー(買ってきて)』と言われた方が、まだ良いよ……」



「うちの上司が言うには、
これは主婦が、コタツから出ないで
ワイドショー見ながら、
お昼を食べたい時に良いんだそうだ」
「そうかー。たまに食べると美味しいね。」



「この2個でラスト?」
「いやあと3個ある」



オバアと私は食事のメニューの好みも
おやつの好みもわりと似ていました。



あまり酸っぱくない酢の物を作り。
ふかした紫芋やあしてびちを買ってきたり。
昆布いりちーも作り。
刺身や煮付け、肉じゃがやクリームシチュー。


どれも喜んでくれるのですが、
なんか……



本土の次兄から電話
「みんな元気?」
「元気よー。あっそうそうオバア金ちゃんヌードル卒業したみたい」
「あー良かった❗️心配してたんだ。じゃあまた」



それからまたしばらくして
勤務中のにーから電話があり、



「今思いついたんだけどな、
オバアの好きそうなものを、
思いついたものを買ったらどうだろう。」




にーちゃん!

その手がありましたか!!