見たことない、見たことない

こんにちは。宇留賀瑞穂です。



オバア話。明治生まれのオバアの思い出を
思い出すまま。
時には家族の話。
あっちに行ったり、こっちに行ったり。
クイズも不定期開催。
お越しくださる皆様にはいつも本当に
たんでぃがーたんでぃ(感謝)です。



最近気づいたこと。



私のオバアは、靴を履いてたことがないです。



いつも、和服で履くような、さばでした。



さば?鯖?サバ〜?



みゃーくふつでは、
草履のことを「さば」と言います。



そのため頂いた「さば」を
奥さんが冷蔵庫に入れたとか
煮付けや味噌煮に作ろうとして
包みを開けたら冷ゾーリが出てきた、
なんて話が不滅です。



そう。さばは、オバアには必須の履物です。
靴履いてるオバアなぞ、想像すらできません。
親戚のオバアサマ、皆様も
さばを履いてこそなのです。



さらに見たことないのは、オバアの靴下!
オバアがスカート履くのもズボン履くのも
リボン付けるのも帽子被るのも
ムリに想像しようと思えば何とかなります。
なのに私は、オバアの靴下姿を
想像することが不可能なのです。



オバアといえば、「たび」!
足袋でなければオバアの足が冷えます!



これは何なのでしょう。



記憶をさかのぼる、さかのぼる、さかのぼると



………………………



昔の沖縄の冬はそれなりに寒く、
50年前の真冬は10℃を切ることも
しばしばありました。


それで、
オバアは寒い夜には口癖のように、
「たびはかだかー」(足袋を履かなきゃ)



と呟き、寝る前に
薄紫色や濃緑色の足袋を
せっせと履き始めるのでした。



それを聞くと、私は



ニヤリと笑い、



自分の裸足の足の裏を、 



(注・小学生当時の私の足の裏は、アイスノン並に冷たかった)



オバアの、まだ裸足の足先に、ピタリ。



オバア絶叫!「アガンニャ!ぱぐぬぴぐるさ!!!」(足の冷たさ!!)
またピタリ。「アガンニャ!!ぱぐぬぴぐるさ!!」





就寝時間。




私はわざと、オバアの「ふくらはぎ」に、
足の裏をピタリ。



「アガンニャ!ぱぐぬぴぐるさ!あなたの足はなんでこんな特別冷たいか!?」



私「ヒッヒッヒッ♪」(またピタリ)


(≧△≦)👣(^皿^)


「アッガンニャ!ならん!ぱぐぬぴぐるさ!」



ぱぐぬぴぐるさの永久機関となったオバアは、
毎晩孫のアイスノン足攻撃を受けながら
二人してあまい(笑い)とばらい(大笑い)で
いつの間にかぬくぬく足が温まり、
ぐっすりと熟睡するのでした。




だからさー。



私にとって
オバアの足袋は、特別に大切な記憶なのです。





あれから半世紀。
今は私が「ぱぐぬぴぐるさー」と
足袋ではなく娘のお下がりの、
カフカの靴下を履いています。
オバアごめんね!
今度夢で会ったら、また、
ぱぐぬぴぐるさ合戦しようね!




(恥ずかしながら私は中学卒業までオバアと一緒の布団で当たり前に寝てました。身長155cmになって布団が小さくなるまで(^_^;))




補足…オバアが「ぱぐぬぴぐるさ」永久機関になったのを記念して
その当時小学生の章兄さんと私は、
「♪ぴんざーふぁい(山羊食べろ)ぱぐはぴぐるさ(足は冷たーい)♪」という
謎の民謡を作って毎日歌ったのでした♪