国吉源次さん2

こんにちは。宇留賀瑞穂です。


今日はしとしと梅雨らしいお天気。



静かでしっとりとして、良いものです。



天気はどうもこうもできません。



しとしと雨が三日続くと



………ちょっと困ります。



そして………困ります(´Д`)(´。`;)



そして…………………困ります(。ŏ﹏ŏ)(ー_ー;)



まあ梅雨じゃけえー ←広島弁




今日は国吉源次さんの続きです。



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TVの「民謡紅白歌合戦」「民謡大会」で
おなじみの、国吉源次さん。


そう、われらがオバアは、民謡番組が好きで


私は一緒にTVの前で聴いておりました。



ここ素敵なことです、



うちのオバアは、人に対してむやみに否定的な言葉を、口から出さない人です。



悪口(あっこう)を、口から出さない。


人をあからさまにからかわない。けなさない。


冗談は言います。しかもタイムリーに(笑)



さて、そういうオバアなので、
誰が変だとか、下手だとは、言いません。



それは当然です!民謡歌手の皆様です、ヘタな訳ないですし。



ですが、歌を聴いて、上手いと感じた人には
「うまい」と、ひとこと。
(発音は“んまい”に近いです)



オバアのその「うまい」は、“他とは代えられないうまさ”といったニュアンスです。



ですから、いつだったかオバアが「うまい」と口にした国吉源次さんを、私は




「すごく歌のうまい人らしい」と思っていました。



(民謡は誰がどうウマいのか、小さい子供なのでさっぱりわからないまま)


………………………



月日は流れ、オバアは八十を越え、私は二十代の頃の
ある日あるとき、日曜の昼下り。



TVで国吉源次さんが宮古島の民謡を歌うのを(「とーがにあやぐ」だったと思います)
二人で聴いていましたら



オバアが、じいっと画面を見つめ、ぼそりと言いました。



「この人は、『みずぎ』。」



……私はちょっと驚いて「えっ?」



『みずぎ』というのは、みゃーくふつです。



水着ではありませんよ。



『みずぎ』の意味は、私の感覚では、
人やものや動物がブサイク、不格好、という感じです。



このシーンでは、美男子ではないという意味あいです。



人を形容してストレートな言葉を言った。
普段このような物言いをしないオバアの『みずぎ』に
驚いた私は、次のオバアの言葉を待ちました。



オバアの朝結った髪(からず)は、午後を過ぎると細い髪が髪留めをすり抜けて耳の後ろから緩やかにしだれてきます。
その髪をかきあげようとせず、画面を見つめながらオバアは言いました。



「この人は、美男子ではなかった。だから、歌がうまい。歌が誰よりも、うまくなった。」



オバアはそう言ったあと、黙ってずっと歌を聴いていました。私はなんだか何も言えず、一緒に歌を聴いていました。



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あれから三十数年経ちました。
今日も心のなかに、あの日のオバアの横顔と源次さんの歌声が聞こえてきます。




国吉源次さん、素晴らしい歌声をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。



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